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Archive for January, 2009

「LOST」シーズン5へ突入

アメリカで「LOST」のシーズン5が先週(だったと思う)始まった。このシリーズは日本でもすでにDVDで販売・レンタルされているので内容の説明は不要だと思うので省く。

改めて、新シリーズを観ての感想は行き当たりばったり感がさらにパワーアップしているということ。まったく、視聴者のことなんかお構いなしに話が展開していく。一体全体何人の視聴者がディテールを把握してみているかが興味津々だ。が、こんなやりたい放題の番組にもしっかり視聴者はついてきており、いまだに高視聴率をたたき出している。

番組プロデューサーも現状を把握していない感がかなりある。このまま終わってもしばらく続いても行き着く先は同じで、まだ誰もどうやって終えるのアイディアがないんではなかろうか。

「LOST」の1シーズンはかなり面白くひきつけられてしまった。イギリスのTV番組「プリズナーNO.6」とアメリカのTV番組「巨人の惑星」を足して割ってみたようなテイストで、この島には一体何が起こっているのかというミステリーが視聴者を引き込んだ要因に思える。これを軸にキャラクターそれぞれに焦点を当て何故彼らが飛行機に乗り合わせた事実関係をフラッシュバックで紹介していく方法は何か光るものがあった。

が、2シーズン目からは(どうやらプロデューサー側の意向らしいが)島の謎の存在を神秘的ミステリーではなく人為的なものだとあっさり説明し、パラノイア的世界観から、一気にわかりやすい単純な群像劇に方向転換してしまったため、緊張の糸がぷちりと切れてしまった。

にもかかわらず、視聴率が低迷していないところをみると、変更は吉に出たのだろう。このあたりが、ローラ・パーマを殺害したのは誰という謎で視聴者を釘付けにさせたのはいいものの、そのミステリーが解明されるやいなや、視聴率が低迷したカルト番組「ツインピークス」とは違う点である。

何が「LOST」の視聴者を魅了しているのかが自分には理解できない。このままでは自分自身がロスト状態である。

LOST(終わりのタイトル風に)

その名もボーン

おそばせながらアメリカ映画「ボーン」三部作を観終えた。英語タイトルも決してかっこよくはないが、カタカナ表記にするとかっこ悪いタイトルだ。しかもこの後につく「スプレマシー」や「アルティメイタム」等タイトルからは全く何の映画がわからない。予備知識のない人にとってはまさかこの映画がスパイ映画だとは想像もできないだろう。

で、話題になっていたのが三部作目だったので「ボーン・アルティメイタム」から観ることにした。で次に「スプレマシー」で最後に「アイデンティティー」。

結果、映画の評価順にもなってしまった。最初の「アイデンティティー」は一番安直な映画。いたって普通の出来だった。つまり、記憶喪失というディバイスを使って映画の話を前へ進めるパターン。正直、今日の記憶喪失物に免疫がつてしまったせいか、全く驚きなし。正直、主人公「ボーン」の記憶が戻ろうがどうでもよい。単純にプロットの複線のためのお膳立てにすぎない。

それを見切ってか、2作目から抜擢されたポール・グリーングラスはただひたすら、編集のテンポを早く、若干ドキュメンタリー要素をスパイス的に、アクションをひたすら描く。この監督の採った案は成功したようで第三作の「アルティメイタム」では編集がより早くなり、観てて気持ちがよくなるリズムをかもし出している。この効果は「アルマゲドン」や「ロック」のマイケル・ベイのただ単にスピードが速いだけの編集とはちがう。

さらにこの「ボーン」シリーズでこの監督の秀でた才能は、ヨーロッパを観光旅行的背景とはせずに、といって決してマイナーな場所でない、ヨーロッパ人ならではのヨーロッパの地形の描き方をしている。やっぱり監督はイギリス人。もしこれがアメリカ人の手にかかったら、第二撮影班にエッフェル塔えを撮らせて、で俳優のシーンではスタジオ内の似非パリもしくはトロントやロスとかで撮影をして誤魔化すであろう。久しぶりのヨーロッパの街並みが魅力的に感じた映画である。

いろいろとゴタクを並べたが一番感動したのは三部作全てのエンドクレジット。な、なんとボーンの歌があるではないか!しかも歌っているのはMOBY。曲は結構恥ずかしくなる感じの歌。なんとなく80年代のロック調。これを聴いて「わー、ボーンかっこええ、しびれる~」とは到底思えない。むしろ恥ずかしくなるタイプの曲だ。でも同じ歌を三作品通して使おうと決定したプロデューサーには脱帽。おそらくプロデューサーの意図は21世紀版「007」を意識したのでは。記憶に残るという意味では成功しているが、恥ずかしいのは否めない。この曲欲しさにiTunesとかでダウンロード購入は少なそうだ。そういえば「ボーン」のテーマは記憶だったのを思い出した。

海外のテレビ事情 その1

アメリカに住んでいながら、何故アメリカのテレビ事情とわざと書かなかったというと、まずうちのテレビはアンテナにつながっていない。しかもケーブルや衛星も受信していない。つまり、本来のテレビとしての機能はまったくしていない。正確に表現するとそのような状態にさせていない自分がいる。

何故と聞かれたら単純に毎月の出費がかさむためと答えるのが一番妥当であろう。

それではテレビ番組を観ていないかとの質問はまったくノーでありよく観ている。如何にしてというのが通常の質問だと思うが、インターネットを通じて鑑賞していうのが実態だ。

まず、アメリカのテレビ番組はまるで、代わりに録画してくれているように、各テレビ局のサイトもしくはHULUやJOOST、SLINGのようなサイトにいけば、いたれりつくせりの状態だ。

日本のテレビの状況はというと、違法、合法の議論はこの際おいておいて、各サイトで十分すぎるほど、よいラインアップになっている。

こんな状態にいると人間の欲というのは恐ろしいもので、じゃあ他の国の番組も観たいという欲求が沸きあふれ、気づいたら、いつの間にかイギリスやカナダ、その他の国々の番組が手に入っている。

その中で今、一番注目しているのが英国BBCが制作した「DRAGON’S DEN」という番組。現在6シーズン目という比較的人気のある番組で、しかもこの番組の元ネタが実は、以前日本放送(NTV)系列で放送していた吉田栄作司会の「マネーの虎」である。番組の内容は実際の投資家を4~5名集めて、その投資家の前で志願者が自分のビジネスプランや商品をプレゼン、目の前の投資家を納得させ、彼らに新規事業及びビジネスチャンスに必要な希望額を投資させれば成功。ただし、一円でも希望金額に満たさないのであれば不成立となる。

オリジナル日本版もそれなりに楽しみにして観ていたけど、イギリス版の方がはるかに面白い。その一部始終は次回へ。

そして静かに始まった、いや始めてしまったのか…

早いものでアメリカ在住20年が経ってしまった。気づけば人生の半分以上がアメリカでの生活になってしまっているではないか?!本来の目的である映画製作もここ4年ほど停滞ぎみ。アイディアの数はあるのだが「これ」といった感触のある題材がない。今手持ちのアイディアで短編を作ったとしても、自分では消化不良を起こすのは間違いない。次回作の目標は「ベネチア映画祭の短編部門」と高く設定しているから慎重に題材を吟味しないと。「無理かどうかは作ってから判断すればいいことだ」と自分に言い聞かせている。2009年には撮影に入れるようがんばってみます。

ということで今後不定期に自分のバックグラウンドを生かしたり、興味の持てるものに焦点を当てて様々な話題(特に芸術関連)に触れていきたいと思っています。決して頭が痛くなるような硬ーい内容にはしないつもりです。

今後ともよろしくお願いします。