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I HIRED A CONTRACT KILLER:コントラクトキラー (1990)(フィンランド)

タイトルからすると、サスペンス物もしくはアクションドラマと勘違いしがちだが、あくまでもコメディ映画である。ただし、ひとくせあるコメディ映画なのは、映画製作国がフィンランドで、しかも監督がアキ・カウリスマキと聞けば理解していただけると思う。

イギリスが舞台。イギリス社会に馴染めないフランス人労働者が、孤独と先の見えない自分自身の人生に嫌気がさし自殺を試みる。が、首吊用のロープが切れたり、ガス自殺途中で未滞納のためガスを止められてします等、ことごとく失敗に終わる。彼の最終決断は全財産をかき集めて、自分を殺してもらうよう殺し屋を雇う。その帰りに花売りの女性と恋に落ち、人生が180度変わる。翌日慌てて、昨日の契約を破棄するために殺し屋の事務所に行くが、既に取り壊しが始まり、殺し屋の行方がわからない。どうする主人公。

という内容だが、別にサスペンスがあるわけでもなく、フィンランドならではの悲愴感が主人公にも、雇われた殺し屋にも漂っている。そのオフビート感がリズムの外れたコメディと妙にマッチしていて楽しい。映画の時間は80分と短いのだが、映画が上映されている間はかなり長く感じた。でも、見終わった後の果たして観て得したのかそれとも時間の無駄だったのかという非常に表現しにくい感覚はアキ・カウリスマキ映画独特のものだ。結果的には秀作として紹介していう以上はやはり自分の中で「観て得した」と納得できたのだろう。

映画館での鑑賞をオススメする。