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WHO KILLED JESSIE:「邦題不明」 (1966)(旧チェコスロバキア)

とにかく面白い。60年代のチェコ映画は宝の玉手箱的映画で溢れている。

映画のストーリーは、ある科学者が夢の実験をし、夢で見たものを現実化できる装置を発明する。自分の憧れての漫画のヒロインを現実化させることに成功するのだが、その他の漫画のキャラクター達も現実化してしまい大変なことになってしまうという他愛もないSFストーリー。ただこの映画が制作されたのが1966年。80年代にアメリカでつくられた「ロジャーラビット」よりも20年以上も前にもかかわらず、後発ものよりもイマジネーション豊かな作品に仕上がっている。

例えば漫画から出てきたキャラクターのため話すことができない。そのため何か話しかけようとすると、画面の上にセリフのふきだしが現れる。しかも、二次元なのである。一定の角度からしかふきだしの中身が見えない。非常にどうでもよいディテールに凝っている。この細部のこだわりがコメディーにうまく反映していて、観ていて心地よい。

白黒映画にもかかわらず、映画の醸し出す雰囲気は天然色のカラーそのもの。しいて言えば、60年代の一連の日本のSF映画の路線に近い。根本的な違いはチェコ人は常に笑いを忘れないことかも知れない。60年代日本SF映画は真面目だが面白味にかける。